日本の公共工事では、提出図面の多くが「電子納品」として求められ、その中核となるファイル形式がSXF(Scadec eXchange Format)です。DWGやDXFと比べると一般ユーザーには馴染みが薄いものの、土木・建築に関わる設計者、施工業者、CADオペレーターにとっては避けて通れない存在です。

なぜ日本の電子納品で多用されているのか?どのソフトで開けば良いのか?

本記事ではこれらの疑問をわかりやすく整理し、SXFを効率的に扱えるようになるための基礎知識と実用的なヒントをまとめます。

 

SXFファイル形式の基本

SXFの歴史と開発背景

SXFは、国土交通省が定めたCADデータ交換標準「SCADEC規格」に基づき開発されたファイル形式です。

目的は以下の通り: 

  • さまざまなCADソフト間の互換性を統一
  • 図面の仕様を標準化し、電子納品の品質を確保
  • 公共工事の図面チェックを効率化し、運用コストを削減

この背景から、SXFは日本国内のインフラ設計・施工分野で広く普及しました。

SXFフォーマットの種類

SXFには大きくVer.2系(P21/P2X)とVer.1系(SFC/SFA)の2系統が存在し、それぞれ目的や精度が異なります。

SXF Ver.2(P21・P2X)

ISO10303-202(STEP/AP202)に準拠した最新仕様で、電子納品で最も広く利用される形式です。図形だけでなく属性情報まで正確に保持でき、国土交通省をはじめ多くの公共機関で標準的な提出形式として採用されています。特にP21は国際規格としても認知されており、正式な電子納品用ファイルと位置づけられます。

SXF Ver.1(SFC・SFA)

国内向けの簡易データ交換を目的として普及した旧形式です。SFCは軽量なフィーチャコメント形式で、中間交換や簡単なチェック用途には便利ですが、詳細な属性情報には対応していないため、現在ではVer.2系への移行が主流となっています。正式な電子納品では推奨されないケースがほとんどです。

このように、高精度な電子納品にはVer.2、軽量で簡易な交換にはVer.1と、用途によって適したフォーマットが異なります。

DWG/DXFとの違い

公共工事の電子納品において、もっとも重要なのは「どの環境で開いても同じ図面として再現されること」です。

SXFは線種・レイヤ・属性などの表現ルールが統一されています。そのため、どの環境で開いても図面が崩れにくく、提出先での再現性が高い点が最大の強みです。電子納品の形式チェックにも適しており、公共機関で標準として採用されている理由もここにあります。

一方、DWG/DXFは世界的に広く使われる汎用フォーマットで、社内作業や日常的な図面交換には非常に便利です。ただしメーカーごとに仕様差があり、電子納品に必要な表現の統一性までは担保されません。そのため、最終提出の際にはSXFへの変換が不可欠になります。

項目 SXF DWG/DXF
国内公共工事での採用 国土交通省をはじめ公共機関の公式標準として必須。提出時の互換性・規格準拠が保証される。 一部許容される場合があるが、正式な電子納品には変換が必要。規格準拠は保証されない。
表現の統一性 線種、レイヤ、文字、注記、属性情報などが規格化され、どの環境でもほぼ同一表示が可能。 メーカーやソフトによって線種や文字サイズ、属性の扱いに差が出やすく、表示や印刷結果が環境依存になる。
電子納品の適合性 規格通りの提出が可能で、提出前チェックや属性検証が容易。長期保存にも適している。 変換や修正が必要で、属性やレイヤの精度確認が必要。電子納品向けのチェックは別ソフトが必要な場合が多い。

SXFファイルの開き方

SXFを扱う方法は大きく3つに分かれます。

OCF認定(CADデータ交換標準)対応ソフトで開く

電子納品を正確に行う必要がある場合、最も信頼性が高いのがOCF認定ソフトを使ってSXFファイルを開く方法です。これらは国土交通省のCADデータ交換標準に準拠しており、SXFのレイヤや線種、属性情報を規格通りに再現できる点が大きな強みです。特に、福井コンピュータの「EX-TREND武蔵」や川田テクノシステムの「V-nas」などが代表的で、公共工事に携わる設計事務所では一般的な選択肢となっています。

これらのソフトは図面の整合性チェック機能が非常に充実しており、電子納品で求められる仕様違反を細かく検出できるため、提出ミスを防ぐのに大きく貢献します。CAD2D:OCF認定(CADデータ交換標準)対応ソフトで開く

一方で、導入費が高額になりやすいことや、高度な機能を使いこなすには一定の学習コストを伴うという点は無視できません。公共工事を主業務とする企業には最も確実な方法ですが、コストとのバランスを見ながら検討する必要があります。

汎用CADソフトでSXFファイルを開く

日常的な作図業務で使い慣れているCAD環境のままSXFを扱いたい場合は、SXFのインポートに対応した汎用CADソフトを利用する方法が現実的で、多くの企業でも採用されています。DWGDXFJWWといった複数形式に対応しているため、異なるフォーマット間の操作をシームレスに行えることが大きなメリットです。特に、コストを抑えつつSXF図面の閲覧や軽い編集を行いたい企業では、ZWCADが代表的な選択肢として広く使われています。

ZWCADでSXFファイル読み込み/書き出しも簡単です。一般的な手順は以下の通りです。

  • SXFファイルの読み込み

1.  ZWCADを起動しSXFJWW」メニューから「SXF読み込み」を選択します。

CAD2D:ZWCADを起動し、「SXFとJWW」メニューから「SXF読み込み」を選択します。

2.  読み込みたいファイル選択して「開く」をクリックします。

  • SXFからDWGへの一括変換

1.  ZWCADを起動しSXFとJWW」メニューから「DWGへのSXF一括変換」を選択します。

CAD2D:ZWCADを起動し、「SXFとJWW」メニューから「DWGへのSXF一括変換」を選択します。

2.  変換したいSXFファイル選択して右側DWGパス指定します

3.  DWG書き出しまたはDXF書き出し選択して完成です

ちなみに通常DWG図面からSXFファイル変換する場合以下なります

  • DWGからSXFへの一括変換

1.  ZWCADを起動しSXFとJWW」メニューから「SXFへのDWG一括変換」を選択します。

CAD2D:ZWCADを起動し、「SXFとJWW」メニューから「SXFへのDWG一括変換」を選択します

2.  左側に変換したいDWGファイルを選択して、右側にSXFパスを指定します。

3.  SFC書き出し」または「P21書き出し」を選択して完成です。

この手順により、普段のDWG作業環境を維持しつつ、必要なときだけSXF図面を参照・軽編集できるため、建設会社や設計事務所での部分的なSXF対応用途に非常に適しています。ZWCADは操作性が直感的で習得が容易なうえ、導入コストも抑えられる点が評価され、現場での導入事例も増えています。 

ただし、汎用CADではメーカーによってSXFの再現精度にわずかな差が出ることがあり、電子納品で求められる細かな属性チェックまでは対応しきれない場合があります。日常的な閲覧や軽微な修正には十分ですが、最終確認だけはCF認定ソフトを使うケースが多い点は理解しておくと安心です。

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SXFブラウザ(ビューア)で開く

図面の編集は必要なく、まずは内容を確認したいだけという場面では、SXF専用のブラウザ(ビューア)を使うのが最も手軽です。国土交通省が提供する「SXFブラウザ」や、メーカーが無償提供しているビューアなどが代表的で、インストールが簡単で動作も軽く、閲覧に特化しているため非常に扱いやすいのが特徴です。支給された図面をすぐ確認したい場合や、社内で図面チェック担当ではない人が閲覧する用途には特に適しています。

CAD2D:SXFブラウザ(ビューア)で開く

ただし、ビューアはあくまで閲覧専用ツールであり、線種の調整やレイヤ編集、図形修正などは一切行えません。そのため、図面の内容をチェックするところまでが限界で、修正作業を行う場合は汎用CADやCF認定ソフトを別途使用する必要があります。閲覧用途には非常に便利ですが、ワークフローに組み込む際は他ツールとの併用を前提として考える必要があります。

よくある質問

他のファイル形式をSXF形式に変換する際の注意点は?

DWGやDXF、JWWなどの汎用CADフォーマットは、線種や文字、レイヤの扱いが独自仕様のため、変換後に線や文字の位置がずれたり、一部情報が正しく再現されないことがあります。特に電子納品用として提出する場合は、SXFの規格通りに正確に表示されるか確認することが重要です。

また、SXFVer.2系(P21/P2X)への変換が推奨され、旧バージョンのVer.1系(SFC/SFA)では情報が欠落する可能性があります。変換はあくまで対応の手段であり、最終提出前にはOCF認定ソフトなどで整合性をチェックしておくと安心です。

汎用CADはSXFファイルを編集できますか?

汎用CADソフトでもSXFファイルの編集は可能です。ZWCADなどでは、SXFを取り込んで線やレイヤの調整、注記や文字の追加、簡単な図形修正など日常的な作図作業を行うことができます。こうした操作は普段のDWG作業環境とほぼ同じ感覚で行えるため、作業効率を保ちながらSXF図面を扱うことが可能です。ただし、電子納品で求められる細かい属性チェックや規格準拠までは対応できない場合があるため、最終提出前にはOCF認定ソフトで確認するのが安心です。

SXFファイルの命名規則にはどのような要件がありますか?

SXFファイルを電子納品で使用する場合、ファイル名には一定の規則があります。一般的には、プロジェクト名や工事番号、図面種類、作成年月日などを組み合わせ、半角英数字やアンダースコアで表記します。日本語や全角文字はシステムによって正しく認識されないことがあるため避けるのが基本です。また、文字数の制限や細かい命名ルールについては、国土交通省のCAD製図基準を参照して確認することが重要です。

まとめ

SXFは、日本の電子納品において最も重要な図面形式のひとつです。DWGやJWWとは異なり、公共工事向けに最適化された標準フォーマットであるため、設計者・施工業者・CADオペレーターは正しい扱い方を理解しておく必要があります。

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