CADユーザーにとって、DWG形式の図面データをPDFに変換する作業は日常的に発生します。クライアントや同僚に図面を共有する際、CADソフトがない相手でも内容を確認できるPDFは非常に便利です。さらに、印刷用データや提出資料としても広く利用されており、ビジネス効率を高めるための重要なファイル形式と言えます。

本記事では、DWGをPDFに変換する目的とメリットから始め、ZWCADやAutoCADを使った変換方法、無料オンラインツールの活用法、Adobe Acrobatを使った方法、そしてよくある質問まで、実用的な情報を網羅して解説します。

 

DWGをPDFに変換する目的とメリット

DWGはAutoCADやZWCADなどのCADソフト専用のファイル形式で、高度な設計情報を保持できますが、閲覧には専用ソフトが必要です。一方PDFは、PC・タブレット・スマートフォンなど、ほぼすべてのデバイスで閲覧可能です。

主なメリット:

  • 互換性の高さ:CADソフトがない環境でも図面を開ける
  • データの軽量化:印刷用に最適化された軽いファイルを作成可能
  • 改ざん防止:意図しない編集やレイヤー情報の流出を防げる
  • 配布の容易さ:メール添付やクラウド共有がスムーズ

こうした理由から、PDF変換は社内外での図面共有の標準プロセスとして定着しています。

CADソフトを使ってDWGをPDFに変換する方法

ZWCADとAutoCADはいずれもDWG形式を扱う代表的なCADソフトであり、PDFへの変換方法も基本的に似ています。どちらも「印刷」機能から印刷デバイスに「DWG to PDF」を指定し、用紙サイズや尺度を設定してPDFファイルを作成します。

ここでは操作例としてZWCADを用いて詳しく説明します。AutoCADでも同様の流れで変換が可能です。

手順:

  1. 変換したいDWGファイルを開く
  2. PLOTコマンド、またはショートカットキーの Ctrl + P を押して、[印刷 – モデル空間]ダイアログを開く。
  3. 印刷デバイスとして「DWG to PDF.pc5」を選択する。
  4. 用紙サイズやスケールなどの印刷設定を行う。
  5. [OK]をクリックし、保存先を指定してPDFを出力する。

CADソフトを使ってDWGをPDFに変換する操作画面

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無料オンラインツールでDWGをPDFに変換する方法

無料のオンラインツールを使えば、専用ソフトをインストールしなくても手軽にDWGファイルをPDFに変換できます。基本的な操作手順はほぼ共通しており、以下のような流れで進めます:

  1. 各ツールの公式サイトにアクセスする。
  2. 変換したいDWGファイルをドラッグ&ドロップするか、ファイル選択ボタンからアップロードする。
  3. アップロードが完了すると、自動的にPDFへの変換処理が始まる。
  4. 変換が終わったら、PDFファイルをダウンロードして保存する。

これらのツールは手軽に利用できる反面、機密性の高いファイルを扱う際にはアップロード先のセキュリティに注意が必要です。

以下に、代表的な3つのオンライン変換ツールの特徴と注意点を紹介します。

AnyConv

AnyConvはとてもシンプルで使いやすいオンライン変換ツールです。ユーザーはDWGファイルを画面にドラッグ&ドロップするだけで簡単にPDFに変換できます。最大100MBまでのファイルに対応しており、登録やログインが不要なので、手軽にすぐ使いたい時に最適です。ただし、大きなファイルや複数ファイルの一括変換には対応していないため、頻繁に大量の図面を処理する場合はやや不便かもしれません。

anyconvの操作画面

Allinpdf

Allinpdfは複数ファイルの一括変換に対応しているため、複数のDWGファイルをまとめてPDF化したい場合に便利です。さらに、PDF結合機能も備えているため、変換後のPDFをひとつにまとめることもできます。無料で広告表示もなくストレスなく利用できますが、オンラインツール全般に言えることですが、機密性の高い図面のアップロードには注意が必要です。

allinpdfの操作画面

PDFAgile

PDFAgileは高品質なPDF出力を実現できるオンラインツールとして人気があります。オンライン版だけでなく、オフラインで使えるソフトも提供しているため、ネット環境が不安定な場合や機密性の高いファイルの変換にも対応可能です。ただし、無料プランでは一部機能制限があり、すべての機能を使うには有料版へのアップグレードが必要になる場合があります。

pdf agileの操作画面

Adobe Acrobatを使ったDWGファイルのPDF変換

Adobe AcrobatはPDF作成・編集の業界標準ソフトで、高い互換性と多機能を備えています。特にPro版では、AutoCADなどのCADソフトと連携し、DWGファイルを高品質なPDFに直接変換できる点が大きな特徴です。変換後はPDF内に注釈やコメントを追加でき、設計図面のレビューや共有を効率化します。

一方で、Adobe Acrobatは有料でコストがかかることや、DWGの高度なCADデータ編集には対応していない点、また大きなファイルの変換に時間がかかる場合があるなどのデメリットもあります。

DWGファイルのPDF変換手順

  1. Acrobatで「ツール」「PDFを作成」の順に選択します。
  2. 「単一のファイル」を選択し、オプションメニューから「ファイルを選択」を選択します。
  3. DWGファイルを選択します。
  4. 「作成」をクリックまたはタップします。
  5. PDFを任意の場所に保存します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 変換後のPDF内でDWGのオブジェクトを編集できますか?

通常は編集できません。多くの場合、PDFはベクター情報ではなく画像として出力されるため、CADのような精密な編集は不可能です。

Q2. 複数のDWGファイルを一括でPDFに変換する方法はありますか?

多くの主流CADソフトは、複数のDWGファイルを一括でPDFに変換する機能を備えています。例えば、ZWCADでは「パブリッシュ(PUBLISH)」機能を使って、一括で複数図面をPDF化できます。また、AutoCADでも「シートセットマネージャー」を活用することで同様の一括出力が可能です。

複数のDWGファイルを一括でPDFに変換する方法を説明する画像

ただし、ソフトによって操作手順や対応機能が異なるため、ご利用のCADソフトのマニュアルやサポート情報を確認することをおすすめします。

Q3. 複数の図面を1つのPDFにまとめて出力できますか?

複数の図面を単に一括変換するだけでなく、1つのPDFファイルにすべての図面をまとめて保存したい場合、多くのCADソフトではマルチページPDF作成機能が用意されています。ZWCADでの「ZWCADスマートバッチプロット(SMARTPLOT)」機能、及びAutoCADの「シートセットマネージャー」のPDF結合機能を利用すると、関連する図面を1ファイルに統合できます。 複数の図面を1つのPDFにまとめて出力する方法を説明する画像

まとめ

本記事では、DWGファイルをPDFに変換する目的やメリットから、代表的な変換方法まで幅広くご紹介しました。

以下の表は、それぞれの変換方法の特徴やメリット・デメリット、そして適した利用シーンをまとめたものです。ご自身のニーズや環境に応じて、最適な方法選びの参考にしてください。

方法 特徴・メリット デメリット・注意点
CADソフトからの直接変換 高精度・レイアウトそのまま出力。バッチ印刷やマルチページPDFも可能 ソフトが必要。操作に慣れが必要。
無料オンラインツール インストール不要で手軽。簡単操作。複数ファイル対応もあり。 セキュリティに注意。ファイルサイズや機能制限がある場合も。
Adobe Acrobat 高品質PDF作成。注釈追加や編集も可能。 有料でコストがかかる。大容量ファイルは処理時間が長い場合も。

 

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