Autodesk Fusion とは?
Autodesk Fusion(旧 Fusion 360)は、あらゆるものづくりの現場で必要な機能を1つに集約したクラウドベースのプラットフォームです。3D モデリング、アセンブリ、2D 図面作成、解析(CAE)機能および切削ツールパス作成(CAM)機能を備え、さらに回路設計や AI を使用した次世代設計ツールであるジェネレーティブデザインなど、より高品質な製品設計のための機能が充実しています。さらに、クラウドテクノロジーを利用して、解析計算時間の短縮や、使用する場所を選ばないデータ共有も可能です。
Autodesk Fusionの主な機能・特徴
3Dモデリング
3Dモデリングの機能に関しては、スケッチ機能が分かりやすく充実していますし、立体を作成する機能も一般的な押し出し、回転、スイープ、ロフトなどの機能がそろっており、フィレット、面取り、勾配機能もあり、基本的な形状を作成するには十分な機能が搭載されています。シートメタル機能も搭載されているため、基本的な曲げの板金設計を行うこともできます。
ソリッドモデリングとサーフェスモデリング機能の他に、フォームモデリング機能があり、CGソフトのように粘土をこねるような感覚で面を引っ張ったり、押したりして曲面を作成できます。機械設計においてもグリップなど人が握ったり、触れたりする部分の面を作る際には非常に便利です。他にも3Dスキャンなどで得たメッシュデータを取り扱うことが可能で、メッシュにフィットした面の作成などが行えます。
アセンブリ
アセンブリに関しては、部品と部品との関係性をジョイントや拘束機能を利用して定義できます。回転やスライド機構などの基本的な機構の組み合わせによる動きの確認が可能です。アニメーション機能を使って分解図、組立図の検討と動画の作成も行えます。
図面機能
作成した3Dモデル、アセンブリを投影して図面を容易に作ることができます。断面図、詳細図も作成可能で、寸法やサイズ公差、幾何公差、面の指示記号を付加できます。アセンブリの図面作成の場合、分解図の投影、バルーン、部品表の自動作成が行えます。残念な点としては、JIS規格に対応していないことと、線種や色の変更が自由にできないことです。
クラウド
作成したデータは、基本的にクラウドに保存がされます。クラウドに保存されるため、データの共有が容易に行えます。また、解析の計算はクラウドで行われるため、使用するPCのパワーを使わずに、計算中でも他の作業を進めることができます。
まとめ・総合評価
3Dモデリングは、金型や配管設計などのコアな製造分野でなければ、問題なく使える基本的なモデリング機能が搭載されています。曲面を作成する場合には、サーフェスの基本的な機能がある他に、CGソフトのように感覚的に面を作れるフォーム機能があるのが特徴です。
アセンブリに関しては、データ量の多い大規模なアセンブリ製品を設計することは、操作レスポンスが遅くなり難しいですが、部品点数の多くない製品を設計する場合には十分に利用することができます。
図面に関しては、日本の図面規格JISに対応していないのが残念なところですが、別な規格を使用して工夫すれば相手に伝えるための図面を作成することはできます。
その他にも、CAEやCAM機能が搭載されていることで、3D CADで作成した3Dデータの活用がシームレスに行えるのが特徴です。また、レンダリング機能が搭載されており、製品カタログやプレゼン用などに3Dモデルに色や材料の質感などを加えて、リアルでキレイな画像を作成することもできます。
総合的に分かりやすい操作画面になっているため、初心者の人でも使いやすい3D CAD ソフトです。非商用の個人利用や学生であれば、無料から使い始めることができるため、これから3D CADを勉強したい人にとってスモールスタートしやすくなっています。
価格体系とライセンスモデル
価格体系は、サブスクリプション形式になっており、月間プランの場合、12,100円/月。年間プランの場合、97,900円/年。3年プランの場合、293,700円/3年。機能追加用のエクステンション(拡張機能)が複数用意されており、価格は7万円~20万円程度と安くはないかもしれませんが、加工やシミュレーション、データ管理などの高度な機能が追加可能です。
ライセンスモデルは、利用目的や組織の条件によって複数の形態が用意されています。商用利用の場合には、上記のサブスクリプションの契約が必要になります。個人で非商用利用の場合は、個人用ライセンスを選ぶことで、機能制限付きで無償版を利用できます。学生や教員の場合は、教育機関向けライセンスがあり、学習や教育目的に限り無料でフル機能を利用できます。また、スタートアップ企業向けのライセンスもあり、1 ユーザーあたり 23,100円で 3 年間、使用することができます(1社10ユーザーまで)。
ZW3Dの紹介とFusionとの比較
今回、3D CADソフトとして、Autodesk Fusionを紹介しましたが、例えば、サブスク型のライセンスではなく、買い切りが良かったり、データの保存をセキュリティ面からクラウドを使用したくなかったり、図面をJIS規格で作成したい場合などには、ZW3Dという選択肢もあります。
ZW3Dは、ソリッドとサーフェスの基本的なモデリング機能の他、板金や金型設計用の機能があり、大規模アセンブリの処理効率も向上しているため、専門的でコアな設計業務を行うことができます。CAM機能もあるため切削用の加工プログラムを作成することも可能です。図面作成においてもJIS規格に対応している他、Autodesk Fusionよりも豊富な機能が搭載されているため、2D CADで作成できる同等レベルの機械設計図面の作成が可能です。運用がクラウドではなく、ローカルで完結されているため、セキュリティポリシーが厳しい企業において、オフライン環境での利用が可能です。
価格体系は、1番安いタイプで、ZW3D Liteが313,000円で利用可能です。高度なサーフェスモデリングやアセンブリを行いたい場合には、Standard版で604,000円~となり、初期費用は、Autodesk Fusionよりも高額にはなりますが、ZW3Dは一度購入すれば、永久ライセンスでの永続利用が可能です。(最新版へのアップデートをするには年間保守の契約が必要になります。)

コスパ最強の高性能 All-in-One 3D CAD/CAE/CAM
永久ライセンスで313,000円~
登録不要!フォームの入力だけでOK!
項目 | Autodesk Fusion | ZW3D |
価格体系 | サブスクリプション(買い切りなし) | 買い切りライセンス+年間保守料 |
主な強み | 低コストでクラウドベース | CAD/CAM/金型機能の統合搭載 |
図面機能 | JIS規格に非対応 | JIS規格に対応 |
CAE | クラウド解析、様々な解析に対応。 | ローカル解析、解析の種類が限定的。 |
CAM | 2軸~5軸加工対応 | 2軸~5軸加工対応 |
金型機能 | 専用機能なし | 標準で金型設計モジュールを搭載 |
その他 | 他のAUTODESK製品とデータ連携することで、豊富な機能を使用可能。 | 他のソフトと連携するための様々な入出力ファイル形式に対応している |
表:Autodesk FusionとZW3Dの主な違い
3D CAD ソフトとして何を選択するかは、ご自身の目的や予算、運用面などを考慮して考えていただくと良いと思います。無料の体験版をインストールして実際に操作感を確認するのも良いでしょう。ぜひ、後悔しない選択をしていただければと思います。この記事が少しでも参考になれば幸いです。
【公式サイト】ZW3D 2026の無料体験版をダウンロード
https://www.zwsoft.co.jp/download-form/zw3d-2026/
【徹底解説】3D CAD選びで失敗しない6つのポイント!ZW3Dを評価してみました!
https://www.zwsoft.co.jp/blog/zw3d-3d-cad-point-evaluation/
筆者プロフィール(小原照記 おばらてるき)
いわてデジタルエンジニア育成センターのセンター長、3次元設計能力検定協会の理事長も務める。3D CADを中心とした講習会を小学生から大人まで幅広い世代の人に行い、3Dデータを活用できる人材を増やす活動や企業へ技術的なサポート支援もしている。WEBブログやSNS、YouTubeを「テルえもん」という名前で情報発信中。