ZWCADは、手頃な価格でありながらAutoCADと高い互換性を持ち、学習コストが低いため、多くのCAD初心者にとって最適なソフトウェアとなっています。本ガイドでは基本操作から解説し、初心者がスムーズにZWCADの使い方を習得し、CAD設計の世界に踏み出せるようサポートします。
ZWCADの導入方法と手順
パソコンの動作環境を確認
ZWCADには動作環境に関する要件があります。オペレーティングシステム、プロセッサ、RAM、ハードディスクなどに最低限のシステム要件が定められています。ダウンロードの前に、これらの要件を満たしているかを確認することをおすすめします。
ZWCAD インストーラーをダウンロード
ZWCADの公式ダウンロードセンターにアクセスし、製品名、バージョン、OSに応じて、必要なインストーラーをダウンロードします。ダウンロード後は、30日間の無料試用が可能です。
ライセンスを購入
試用後に製品にご満足いただけた場合は、公式オンラインストアにアクセスしてください。
ZWCADは複数のエディションを提供しており、すべてが永久ライセンス形式です。価格は税込113,000円からとなっており、ユーザーは自身のニーズに応じて最適なバージョンを選択できます。
商品をカートに追加し、購入予定の製品の詳細情報を確認したら、支払いに進むことができます。
決済が完了すると、ZWSOFT公式サイトのユーザーセンターでライセンス番号を確認・取得できます。
詳しいオンライン購入手順を確認したい場合は、こちらの「オンラインストアからの製品購入の流れ」をご覧ください。
ライセンスのアクティベーション
ライセンス番号を取得した後、パソコンで ZWCADライセンスマネージャを起動し、画面の指示に従って製品のアクティベーションを行ってください。アクティベーションが完了すると、ソフトウェアを正常にご利用いただけます。
ただし、アクティベーションはインターネットに接続された環境で実行する必要がありますので、ご注意ください。
CAD初心者は何から始めるべきか?
ZWCADは機能が非常に豊富なため、闇雲に学習すると戸惑いやすく効率が落ちます。そこで「段階的に、重点を絞って」学ぶことが大切で、以下のポイントを重点的に習得することをおすすめします。
インターフェースの構成と基本操作
インターフェースはソフト全体の操作感を掴むための基盤であり、画面構成や操作方法に慣れることが、他の機能をスムーズに使いこなすための前提となります。
レイヤー管理とページ設定
CADの作図では画層(レイヤー)が欠かせません。多くのレイヤーを効率的に管理する方法を習得することで、設計作業がより整理され、作図の効率も大幅に向上します。これは初心者から上級者、プロフェッショナルに至るまで必須のスキルです。
基本的な描画と編集コマンド
線を引く、図形を修正するといったコマンドは、日常の作図で最も頻繁に使用されます。これらのコマンドを上手に使いこなして、ショートカットキーも活用できれば、作業がずっとスムーズになります。
寸法記入と文字入力
寸法や注釈などの標注は、CAD図面で非常によく使われる要素です。図面は単なる図形だけでなく、設計情報を伝える重要な手段でもあります。正確な寸法や注釈を入れることで、誤解を防ぎ、関係者間のコミュニケーションをスムーズにします。
保存と印刷設定
これは作業成果の保存と共有に欠かせない重要なステップです。データの紛失を防ぎ、チーム内で情報を正確に共有することで、作業効率や品質向上につながります。
次に、これらの項目の中から代表的な操作をいくつか選び、操作方法をわかりやすく解説していきます。これにより、初心者の方がZWCADの使い方をスムーズに習得できるようサポートします。
インターフェースと基本操作
ソフトの起動と新規図面の作成方法
ZWCADを起動すると、自動的にインターフェースが表示されます。新しい図面を作成したい場合は、以下の2つの方法があります。
方法1:ショートカットキーを使う
キーボードのCtrl + Nを押すと、すぐに空白の新規図面が作成されます。
方法2:メニューバーから操作する
画面上部のメニューバーで「ファイル」→「新規作成」をクリックし、適切なテンプレートを選択して「開く」を押すと、新しい図面が作成されます。
新規図面を作成した後は、作図エリアで設計作業を開始できます。既存のファイルを開く場合は、Ctrl + Oを押してファイルを選択してください。
コマンドラインの使い方と主なショートカットキーの紹介
ZWCADのコマンドラインは通常画面下部にあり、コマンド入力や操作の案内を受ける主要なウィンドウです。もし表示されていない場合は、Ctrl + 9のショートカットキーを使って、または「commandline」を入力して表示できます。
以下、直線と円の作図を例としてご紹介します。
直線を描く(Line)
- コマンドラインに「L」と入力し、Enterキーを押して直線コマンドを起動します。
- 指示に従い、作図エリアで始点をクリックし、次に終点をクリックすると直線が引かれます。
- 連続して直線を描く場合は、さらに点をクリックし、完了したらEnterキーでコマンドを終了します。
円を描く(Circle)
- コマンドラインに「C」と入力し、Enterキーを押して円コマンドを起動します。
- 作図エリアで円の中心点をクリックし、半径の数値を入力するか、半径を決める点をクリックして円を完成させます。
よく使うショートカットキー例
- L:直線を描く
- C:円を描く
- REC:矩形を描く
- M:移動
- CO:コピー
- TR:トリム(修剪)
- F8:直交モードの切り替え
これらのショートカットキーは作図の効率を大幅に向上させるため、初心者は少しずつ覚えて使いこなすことをおすすめします。
視点のズームとパン(平移)のマウス操作
作図エリアのビュー操作は、日常の作図作業に欠かせない基本スキルです。
ズーム操作
マウスのホイールボタンを前方に回すと画面が拡大し、後方に回すと縮小します。これにより、細部の確認や全体のレイアウト把握が容易になります。
パン(平移)操作
マウスのホイールボタンを押しながらドラッグすると、作図エリアの表示を移動(平移)できます。これにより、視点を素早く切り替えて図形の異なる部分を確認できます。
これらの操作を習得することで、作図中にコマンドを頻繁に切り替えることなく、より自由に画面操作ができるようになります。
画層作成と管理
新しい画層の作成と切り替え
ZWCADを起動したら、まず【画層プロパティ管理】を開きます。メニューバーの「形式」→「画層管理」をクリックするか、コマンドラインに「LA」と入力してEnterキーを押すと、画層管理ウィンドウが表示されます。
画層管理ウィンドウで「新規作成」ボタンをクリックすると、自動的に「画層1」などの仮の名前で新しい画層が作成されます。名前を変更したい場合は直接新しい名前(例:「点線」「実線層」など)を入力し、Enterキーで確定します。これを繰り返すことで複数の画層を連続して作成できます。
作成した画層を選択し、「現在の画層に設定」ボタンをクリックするか、画層名をダブルクリックすると、その画層が現在の作業画層になります。以降に描く図形はすべてこの画層に配置されます。
画層の色、線種、線の太さの設定
「画層プロパティ管理」では、各画層名の横に色、線種、線の太さなどのプロパティがあります。
色の設定:色欄をクリックすると色選択ダイアログが表示され、標準色やカスタムカラーから選べます。選択後「OK」を押すと、その画層のすべてのオブジェクトが選んだ色で表示されます。
線種の設定:線種欄をクリックし、Continuous、DASH、HIDDENなど適切な線種を選択します。リストに目的の線種がない場合は「ロード」ボタンを押して、さらに多くの線種を追加できます。
線の太さの設定:線の太さ欄をクリックし、適切な線の太さを選んで線の太さを調整します。これにより異なる画層の内容を視覚的に区別しやすくなります。
設定が完了したら、「画層プロパティ管理」を閉じると、設定内容がすぐに反映されます。
画層の表示切替と凍結
画層プロパティ管理には、以下の2つの重要な制御機能があります。
表示の切り替え(表示/非表示)
画層名の右側にある電球アイコンをクリックすると、その画層の表示状態を切り替えられます。電球が点灯している場合は画層が表示され、消灯するとその画層および含まれるオブジェクトは一時的に非表示となり、作図画面に表示されません。
凍結
雪の結晶アイコンをクリックすると画層を凍結できます。凍結された画層は表示されないだけでなく、ソフトウェアによる処理も停止されるため、大規模な図面の動作効率が向上します。凍結中の画層のオブジェクトは選択や編集もできません。
凍結は単なる非表示よりも強力な機能であり、操作不要な画層を一時的に完全に除外したい場合に適しています。
基本的な作図コマンド
直線、ポリライン、円、矩形の描画手順
直線の描画
- 直線は最も基本的な作図操作です。以下の手順で描画できます。コマンドラインに「L」と入力し、Enterキーを押して直線コマンドを起動します。
- 指示に従い、作図エリアで直線の始点をクリックします。
- 次に終点をクリックすると直線が描かれます。
- 連続して複数の直線を描きたい場合は、さらにクリックを続け、完了したらEnterキーを押してコマンドを終了します。
ポリラインの描画
ポリラインは、複数の線分または円弧が連続して接続された複雑な図形で、閉じた領域や複雑な輪郭の描画によく使用されます。
- コマンドラインにショートカットキー「PL」を入力し、Enterキーを押してポリラインコマンドを開始します。
- 作図エリアでポリラインの始点をクリックして指定します。
- 次に、後続の頂点を順にクリックして接続された線分を描画します。
- 描画中に、「A」と入力すると円弧セグメント描画モードに切り替わり、円弧を描画できます。
- 「W」と入力すると、線の幅を設定できます。
- 描画が完了したら、Enterキーを押してコマンドを終了します。
- 「PE」を入力すると、既存ポリラインを編集できます。
円の描画
円はCADでよく使われる基本図形の一つで、以下の手順で描画します。
- コマンドラインにショートカットキー「C」と入力し、Enterキーを押して円コマンドを起動します。
- 作図エリアで円の中心点をクリックして指定します。
- 半径の数値を入力するか、作図エリアで半径を決める点をクリックすると円が完成します。
長方形の描画
長方形の描画は専用コマンドで素早く行えます。
- メニューバーやツールバーから「矩形」コマンドを選択するか、コマンドラインに「RECTANGLE」と入力してEnterキーを押して起動します。
- 作図エリアで矩形の一つ目の角をクリックして指定します。
- マウスを動かして矩形の大きさを調整し、対角のもう一つの角をクリックすると長方形が完成します。
この方法で簡単に長方形(矩形)を作図でき、寸法を指定して正確なサイズで描くことも可能です。なお、矩形は4本の線で構成されるため、重複線が生じた場合は整理コマンドで線をまとめることが推奨されます。
角を丸くした矩形を作成するには、フィレット(円角)コマンドを使用します。
- 矩形を描いた後、コマンドラインに「F」と入力するか、メニューの「修正」→「フィレット」を選択してフィレット設定画面に入ります。
- 引き続き「R」を押してからフィレットの半径(丸みの大きさ)を入力し、Enterキーで確定します。
- 次に、丸めたい矩形の隣接する2辺を順にクリックすると、直角の角が指定した半径の円弧に自動的に変わります。
この操作により、直角の長方形を簡単に丸角長方形に変換できます。
直交モードと極トラッキングの起動と活用
直交モードの起動と活用
直交モードは、カーソルの移動方向を水平または垂直に制限し、描画される線が座標軸に対して完全に平行または垂直になるようにします。建築の平面図や機械部品など、厳密な整列が必要な図形の作成に適しています。
起動方法:
- キーボードのF8キーを押して、または「ORTHO」コマンドを入力して、直交モードのオン・オフを切り替えます。
- または、画面下部のステータスバーにある【直交】ボタンをクリックして切り替えます。
使用効果:
直交モードをオンにすると、直線を描く際にカーソルが自動的に水平または垂直方向にロックされます。始点を指定し、長さを入力するだけで線を引けるため、終点座標を正確に入力する必要がありません。オフにするとカーソルは自由に動き、任意の角度の線を描けます。
極トラッキングの起動と活用
極トラッキング機能は、描画時にあらかじめ設定した角度の増分に沿ってカーソル位置を捕捉できるため、30°、45°、60°など特定の角度の線を簡単に描くことができます。斜線や多角形など複雑な図形の作成に適しています。
起動方法:
- キーボードのF10キーを押して極トラッキングのオン・オフを切り替えます。
- または、ステータスバーの【極トラッキング】ボタンをクリックして切り替えます。
角度設定:
コマンド「DS」を入力して「作図補助設定」ダイアログを開き、「極角度の設定」タブで増分角度(15°、30°、45°、60°など)や追加角度を設定できます。ユーザーは必要に応じて角度リストをカスタマイズ可能です。
使用例:
辺の長さが100の正三角形を描く場合、増分角度を60°に設定し極トラッキングをオンにすると、1辺目を描いた後、カーソルが自動的に60°方向に捕捉され、2辺目を正確に描きやすくなります。
この機能により、角度入力の手間を省き、効率的かつ正確な作図が可能になります。
編集コマンド
移動コマンド
- コマンドラインにショートカットキー「M」と入力し、Enterキーを押して移動コマンドを起動します。
- マウスで移動したいオブジェクトをクリックして選択し、選択後にEnterキーを押して確定します。
- 移動の基点(オブジェクト上の任意の点)を指定し、クリックして決定します。
- マウスを動かして移動先の位置を指定し、クリックして確定すると移動が完了します。
例:円を選択し、円の中心を基点として指定し、作図エリアの別の位置に移動します。
コピーコマンド
- ショートカットコマンド「CO」または「CP」と入力し、Enterキーを押してコピーコマンドを起動します。
- コピーしたいオブジェクトを選択し、選択後にEnterキーを押して確定します。
- 基点を指定し、クリックして決定します。
- マウスを移動させてコピー先の位置を指定し、クリックして確定するとコピーが完了します。
- 複数回コピーしたい場合は、そのまま続けてコピー先をクリックし、完了したらEnterキーでコマンドを終了します。
例:一本の長方形を複数の位置にコピーして、配列を作成する。
偏移コマンド
-
- ショートカットコマンド「O」と入力し、Enterキーを押して偏移コマンドを起動します。
- 偏移距離を入力し、Enterキーで確定します。
- 偏移したいオブジェクトを選択し、クリックして確定します。
- 作図エリアで偏移方向(内側または外側)をクリックし、偏移を完了させます。
例:多角線を10単位の距離で外側に偏移し、平行線を作成する。
このコマンドは、線分や円、ポリラインなどのオブジェクトを指定距離で平行に複製する際に便利で、複数回の連続偏移も可能です。
鏡像コマンド
- ショートカットコマンド「MI」と入力し、Enterキーを押して鏡像コマンドを起動します。
- 鏡像したいオブジェクトを選択し、Enterキーで確定します。
- 鏡像軸の始点と終点となる2点を指定して対称軸を決定します。
- 「元のオブジェクトを削除しますか?」というメッセージが表示されたら、コピーを残す場合は「N」を入力し、削除する場合は「Y」を入力してEnterキーで確定します。
- これで鏡像操作が完了します。
例:機械部品の片側を描いた後、鏡像コマンドで対称のもう片側を生成し、寸法の一貫性を保ちます。この操作により、対称形状の作成が効率的に行え、設計の精度向上に役立ちます。
トリムコマンド
- ショートカットコマンド「TR」と入力し、Enterキーを押してトリムコマンドを起動します。
- トリムの境界となるオブジェクトを選択し、Enterキーで確定します。
- トリムしたいオブジェクトの部分をクリックすると、ZWCADが自動的に不要な部分を削除します。
- 操作が完了したら、Enterキーを押してコマンドを終了します。
例:交差する2本の直線をトリムし、不要な部分を取り除いて図形を整えます。このコマンドは、複数のオブジェクトをまとめて選択して相互にトリムすることも可能で、作図の効率化に役立ちます。
オブジェクト選択の方法
クリック選択
マウスの左ボタンで直接単一のオブジェクトをクリックして選択します。少数のオブジェクトを選ぶのに適しています。
ウィンドウ選択
マウスの左ボタンを押したままドラッグして矩形の選択枠を作成し、その枠内のすべてのオブジェクトを選択します。
- 左から右にドラッグすると「ウィンドウ選択」となり、選択枠内に完全に含まれるオブジェクトのみが選択されます。
- 右から左にドラッグすると「交差選択」となり、選択枠内にあるか、選択枠と交差するオブジェクトが選択されます。
クイック選択
コマンドやツールバーから「クイック選択」機能を呼び出し、オブジェクトの種類、色、レイヤーなどの条件でフィルタリングして、条件に合うオブジェクトを素早く選択できます。複雑な図形の処理に適しています。
寸法記入と文字入力
線形寸法と半径寸法の追加
線形寸法は、水平方向または垂直方向の長さ寸法を記入するために使用され、手順は以下のとおりです。
- コマンドラインにショートカットコマンドDIMLINEARを入力し、Enterキーを押して線形寸法コマンドを開始します。
- 寸法を記入する始点と終点を順にクリックすると、ZWCADが自動的に2点間の水平距離または垂直距離を計算して表示します。
- マウスを動かして寸法線の位置を調整し、クリックして寸法を配置します。
- 複数の寸法を連続して記入する場合は、始点と終点の選択を繰り返し、完了したらEnterキーを押してコマンドを終了します。
例:水平な辺の長さが100の直線寸法を記入する場合、その直線の両端点を選択すると、ZWCADは自動的に寸法値として “100” を表示します。
半径寸法は円や円弧の半径寸法を記入するために使用され、操作手順は以下の通りです。
- コマンドラインにショートカットコマンド「DIMRADIUS」と入力し、Enterキーを押して半径寸法コマンドを起動します。
- 寸法を付けたい円または円弧をクリックします。ZWCADが自動的にその半径を表示します。
- マウスを動かして寸法文字と寸法線の位置を調整し、クリックして確定すると寸法記入が完了します。
例:半径30の寸法を記入する場合、円をクリックするとシステムが自動的に「R30」と表示します。
寸法スタイルの簡単な調整
- 寸法スタイルは、寸法文字、矢印、線種などの表示方法を決定します。調整手順は以下の通りです。
- コマンドラインに「DIMSTYLE」と入力し、Enterキーを押して寸法スタイル管理マネージャを開きます。
- 現在使用している寸法スタイルを選択し、「修正」ボタンをクリックします。
- 表示されるダイアログボックスで、文字の高さ、矢印の大きさ、寸法線間隔、単位形式などのパラメータを調整できます。
- 調整が完了したら「OK」をクリックし、寸法スタイル管理マネージャを閉じると、新しい設定が即座に反映されます。
寸法スタイルを調整することで、寸法表示を設計基準や個人の好みに合わせて最適化でき、図面の専門性と美観を向上させることができます。
文字の入力と編集
図面に説明や注釈を加えるために文字を使用します。操作手順は以下の通りです。
- メニューバーから「注釈」→「単一行文字」を選択するか、ショートカットコマンド「TEXT」と入力してEnterキーを押し、文字入力コマンドを起動します。
- 文字の挿入開始点を指定し、クリックして確定します。
- 文字内容を入力し、入力が終わったらEnterキーで確定します。
- 文字を編集する場合は、編集したい文字オブジェクトを選択し、右クリックメニューから「プロパティ」を選ぶか、文字をダブルクリックして編集モードに入り、内容を変更して保存します。
また、文字スタイルは「文字スタイル管理マネージャ」(コマンド「STYLE」)で設定でき、フォント、サイズ、傾斜角度などを調整して文字を見やすくできます。
ファイル保存と印刷設定
ファイルの保存
画面左上の「ファイル」メニューをクリックし、「保存」を選択するか、ショートカットキーの Ctrl + S を使用します。
初めて保存する場合は、保存ダイアログが表示されるので、保存場所を選択し、ファイル名を入力して「保存」をクリックします。その後の保存は、保存コマンドを実行するだけで既存のファイルに上書き保存されます。
テンプレートとして保存
テンプレートファイル(拡張子 *.dwt)は、よく使うレイヤー、線種、文字スタイル、寸法スタイルの設定を含み、標準に合った図面を素早く作成するのに便利です。テンプレート作成の手順は以下の通りです。
- 新規図面または既存の図面で、レイヤー管理、線種の読み込み、文字スタイルや寸法スタイルの調整など、よく使う設定を完了させます。
- 図面に不要なオブジェクトがないことを確認します。
- 「ファイル」メニューをクリックし、「名前を付けて保存」を選択します。
- 表示される保存ダイアログで、ファイルの種類を「図面テンプレート (*.dwt)」に指定します。
- テンプレート名を入力し、「保存」をクリックします。
以降、新規図面作成時にこのテンプレートを選択すれば、設定済みのスタイルや設定がすぐに適用され、繰り返しの設定作業を省けます。
印刷レイアウト設定
正確な印刷設定は設計図面が実際の要件に合致することを保証します。具体的な操作手順は以下の通りです。
レイアウト空間に移動
画面下部のタブバーで「レイアウト」タブをクリックし、レイアウトビューに切り替えます。レイアウト空間は印刷プレビューに似ており、用紙サイズや印刷範囲を設定できます。
ページ設定
レイアウトタブを右クリックし、「ページ設定」を選択します。
表示されるダイアログで「修正」をクリックし、プリンター/プロッター、用紙サイズ、印刷尺度(例:1:1、1:50など)、印刷範囲(ウィンドウや表示範囲など)を設定します。
また、線幅や色などの印刷効果を制御する印刷スタイルテーブルや、印刷の向き(横向き・縦向き)もここで指定可能です。設定が完了したら「OK」をクリックし、ページ設定管理を閉じます。
これにより、レイアウト空間での設定が印刷時に反映され、設計図面の品質と正確性を確保できます。
ビューポートの調整
レイアウト内にビューポート「vports」を挿入して、図形の表示範囲や尺度を定義できます。ビューポートの大きさや位置を調整することで、図面の内容が正確かつ見やすく表示されるようにします。
印刷プレビュー
「ファイル」メニューをクリックし、「印刷」を選択するか、ショートカットキー Ctrl + P を使用します。
印刷ダイアログで「プレビュー」ボタンをクリックし、印刷結果を確認します。 問題があれば、ページ設定やビューポートを調整し、満足するまで繰り返します。印刷プレビューで問題がなければ、プリンターを選択し、「OK」をクリックして印刷を実行します。
CAD初心者から専門職へのステップアップに必要な知識とスキル
CAD業界で初心者から専門職へと成長するためには、まず基本的なCADソフトの操作を確実に習得することが欠かせません。2D製図の基礎から始まり、徐々に3Dモデリングやパラメトリック設計、ダイナミックブロックなどの応用的な機能へとスキルを広げていくことが重要です。これらの高度な機能は設計の効率化や精度向上に大きく寄与するため、日常の業務の中で積極的に活用しながら経験を積むことが望まれます。
次に、CAD操作の習熟だけでなく、製図の基礎知識を深めることも必要です。例えば、工程製図基準や図面の規格、寸法記入のルール、投影法などの知識は、正確で分かりやすい図面を作成するうえで不可欠です。日本の建築や土木の分野では国土交通省のCAD製図基準やJIS規格が指針となっており、これらに準拠することで業界標準に合った図面を描くことができます。線種や線の太さ、レイヤー管理の理解も図面の品質を左右する重要なポイントです。
さらに、専門分野に応じた知識の習得とプロジェクト管理能力の向上もキャリアアップには欠かせません。機械設計、建築構造、電気配線など、自身の担当領域の専門知識を深めることで、設計者の意図を正確に理解し図面に反映できます。また、プロジェクトの進行管理やチームとの円滑なコミュニケーション、設計変更への柔軟な対応力も求められます。これらは資格取得や実務経験を通じて磨かれ、設計業務全体を俯瞰できるプロフェッショナルへと成長するための重要な要素となります。
このように、CADソフトの操作技術、製図の基礎知識、専門分野の理解と管理能力という三つの要素をバランスよく身につけることが、長期的に専門性を高めていくための鍵となるのです。

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