SOLIDWORKSは、機械設計分野を中心に世界中で利用されている3D CADです。部品設計からアセンブリ、2D図面作成、さらには解析まで幅広く対応できることから、大手企業だけでなく多くの中小企業でも使用されています。
一方で近年、SOLIDWORKSを継続利用してきた企業の中から「互換ソフト」や「代替CAD」を検討する動きが増えています。その背景には、コストや運用面での課題が顕在化してきたことがあります。
SOLIDWORKSの課題:なぜ代替ソフトを探すユーザーが増えているのか?
サブスクリプション化による費用負担増
SOLIDWORKSはサブスクリプション(サブスク)中心のライセンス形態へ移行しています。初期費用を抑えられる一方、支払いをやめるとソフトが使えなくなるため、毎年必ず支払いが発生し、利用年数が長くなるほど累積コストが増えます。長期的にはランニングコストが増えやすい点が課題です。
年間保守費の上昇
ここ数年間で年間保守料が上がっています。保守契約を継続しなければ最新版を利用できず、サポートも受けられません。複数ライセンスを運用する中小企業にとって、年間保守費は無視できない負担となっています。
中小企業では導入コストが高い
「設計者が1〜2名」「利用頻度が限定的」というケースでは、SOLIDWORKSの価格に対して投資対効果が合わないと感じる企業も少なくありません。
ハードウェア要求が厳しい
年々、バージョンアップを重ねるごとに、PCスペックへの要求も高くなってきています。グラフィックボードやメモリの更新が必要になり、CAD以外のコストも増加しがちです。
ライセンス管理の複雑さ
ネットワークライセンスやアクティベーション管理が煩雑で、IT専任者のいない企業では負担になることもあります。
SOLIDWORKS代替ソフトに求められる要件(選定ポイント)
SOLIDWORKS代替ソフトを選ぶ際は、単なる価格比較だけでなく、以下の観点が重要です。
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ファイル互換性:SOLIDWORKS固有形式(.sldprt / .sldasm)の直接読み込みや、STEP/IGES/Parasolidなどの中間ファイルの読込と出力に対応し、既存の設計資産を活かせるかどうかは最重要ポイントです。
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パラメトリック3D設計への対応:寸法や拘束条件を持った履歴ベース設計が可能かどうかは、SOLIDWORKSからの移行可否を左右します。
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アセンブリ機能の充実度:部品点数が多い製品を扱う場合、合致条件、干渉チェック、大規模アセンブリの安定性などが重要になります。
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図面化機能(2D ドラフティング):日本の製造業では2D図面が依然として重要です。投影図、断面図、寸法、公差記入のしやすさを確認しましょう。
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UI/操作性:SOLIDWORK経験者が違和感なく移行できる操作体系かどうかは、教育コストに直結します。
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日本語UI・日本語サポート:海外製CADでも、日本語マニュアルや国内サポートの有無は安心材料になります。
- 価格とライセンス形式:導入コストの合理性に加え、「永久ライセンス」と「サブスクリプション」の選択肢があります。特に長期運用を前提とする場合、資産として保有できる永久ライセンスを選択可能であることは、運用コストを最適化する上での重要な判断材料となります。
オススメのSOLIDWORKS代替ソフト
ZW3D
オススメ度:★★★★★
ZW3Dは、設計から製造までを一貫してカバーする3D CAD/CAMシステムです。SOLIDWORKS代替ソフトの中でも、コストパフォーマンスと移行のしやすさを両立した製品として評価されています。SOLIDWORKSに近い操作感を維持しながら、既存データの活用が可能なため、設計環境を大きく変えずにコスト削減を実現できます。特に、導入・運用コストの最適化を重視する企業にとって、有力な選択肢の一つです。

SOLIDWORKS(.sldprt / .sldasm / Drawing)の直接読み込みに対応しているだけでなく、CATIA、NX、Creo、Inventor、Solid Edgeなどの主要CADフォーマットや、STEP、IGES、Parasolidといった中間ファイルの入出力も網羅。異なるCAD環境が混在する現場でも高い汎用性を発揮します。

ZW3Dが対応しているファイル形式
寸法や拘束条件を用いた履歴ベースのパラメトリック設計に対応しており、SOLIDWORKSと同様の手法でのモデリングが可能です。部品点数の多い製品を扱う際も、基本的な合致条件や干渉チェック機能を備え、大規模アセンブリにおいても実用的な安定性を維持しています。また、日本の製造現場で重視される2D図面作成についても、投影図や断面図の展開、JIS等の規格に準拠した寸法・公差の記入までスムーズに行える操作性を備えています。

履歴管理画面例(ZW3D)

アセンブリをしている様子(ZW3D)

2D図面を作成している例(ZW3D)
また、SOLIDWORKSに近いUIを採用していることで、移行時の教育コストや違和感を最小限に抑えることが可能です。

SOLIDWORKSに似たUIになっている「ZW3D」の操作画面
運用面において、ZW3Dは「永久ライセンス(買い切り)」を提供しており、サブスクリプション形式と比較して運用期間が長くなるほどコスト面での優位性が高まります。

ZW3DとSOLIDWORKSの永久ライセンス価格比較

ZW3DとSOLIDWORKSの3年間利用総費用比較
SOLIDWORKSにおいても永久ライセンスは提供されていますが、導入初年度に255,816円の年間保守費用の支払いが必須となります。また、一度保守契約を終了した後に再開する際は、未契約期間まで遡って保守費用を支払う必要があります。
これに対し、ZW3Dの永久ライセンスにはそのような制約はなく、保守サービスを購入するかどうかはユーザーが自身の必要に応じて選択できるため、より柔軟な運用が可能です。
「今までの設計データを活かしつつ、コストを抑えたい」企業には非常に現実的な選択肢と言えます。
Solid Edge
オススメ度:★★★★☆
Solid Edgeは、シーメンス社が提供するミッドレンジ3D CADです。SOLIDWORKSと同じモデリングカーネル「Parasolid」を採用しているため、データの計算精度や再現性が高く、製造業界で広く普及しています。

特徴:
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共通カーネルの採用: SOLIDWORKSと同じエンジン(Parasolid)のため、データ変換時のトラブルが極めて少ない
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独自の編集技術: ヒストリー(履歴)に依存しない形状変更が可能な「シンクロナス・テクノロジー」を搭載
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標準的な機能構成: パラメトリック設計から2D図面作成まで、SOLIDWORKSと同等の機能を完備
機能面やデータ精度での信頼性は非常に高いと言えます。一方で、ライセンス形態がサブスクリプションのみであるため、大きなコスト削減とはならないケースもあります。
Autodesk Fusion
オススメ度:★★★☆☆
Autodesk Fusionは、クラウドベースで動作するCAD/CAM/CAEの統合プラットフォームです。サブスク費用が安価で、年額だけでなく、月額から始められるため、初期費用重視の場合に候補になります。

特徴:
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低価格な導入コスト: サブスクリプション価格が低く設定されており、初期投資を抑えることが可能
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クラウド管理: データの保存やチーム間の共有がクラウド上で行われ、マルチデバイスでのアクセスが可能
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統合解析機能: レンダリング、構造解析、製造用データの作成までが一つのソフト内で完結
コストパフォーマンスと多機能性が強みです。ただし、2D図面機能が弱いところがあり、導入する場合には自社の図面が作れるか機能の確認が必須です。
Onshape
オススメ度:★★☆☆☆
Onshapeは、Webブラウザ上で動作する完全クラウド型の3D CADです。インストール不要で場所を問わずに作業できる新しい運用形態を特徴としています。

特徴:
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インストール不要: Webブラウザのみで動作し、PCスペックへの依存度やメンテナンスの手間を低減
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同時編集機能: 複数の設計者が同一モデルをリアルタイムで同時編集できる独自のデータ構造
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主要データの読み込み: SOLIDWORKSファイルを含む各種CADフォーマットのインポートに対応
チームでの共同作業や場所の自由度を最大化できるツールです。一方で、インターネット環境が必須(オフライン不可)である点や、SOLIDWORKSと比べると高度なモデリングや大規模アセンブリにおいて、一部物足りなさを感じるケースもあります。導入にあたっては、自社の設計規模や実業務の要件に適しているか、事前の検証が推奨されます。
FreeCAD
オススメ度:★★☆☆☆
FreeCADは、オープンソースで開発・配布されている完全無料の3D CADです。営利目的での利用にも制限がなく、コストをかけずにパラメトリック設計を導入したい場合に利用されています。

特徴:
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完全無料: ライセンス費用が発生せず、個人・法人を問わず自由に商用利用が可能
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オープンソース: Pythonによるカスタマイズや、世界中のユーザーが作成した拡張機能(ワークベンチ)を利用可能
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標準形式での連携: STEP、IGES、STLなどの標準フォーマットを介したデータの受け渡しが可能
コストをかけずに3D環境を整えられる唯一の選択肢ですが、SOLIDWORKSデータの直接読み込み(.sldprt/.sldasm)には対応していません。有償ソフトと比較して操作体系や機能網羅性に差があるため、自社の業務要件を満たすかの慎重な判断が必要です。
まとめ
SOLIDWORKS代替ソフトを検討する背景には、コスト・運用・将来性といった現実的な課題があります。重要なのは、単なる「価格の安さ」ではなく、自社の設計業務に本当に適合するかという視点です。移行するCADを選ぶ場合には、いま使用しているCADが使えなくなった場合のリスクや継続した場合のメリットとデメリットをしっかりと確認するなど、慎重に進めてください。自社が行っている設計業務の中で、SOLIDWORKSでしかできないこと、他の3D CADでもできることをきちんと整理して、移行するか、しないかの検討をしましょう。
| ソフト名 | 特徴 | ライセンス形態 | オススメ度 |
| ZW3D | 永久ライセンスで導入が可能 | 永久ライセンス | ★★★★★ |
| Solid Edge | Parasolidカーネルで互換性が良い | サブスク | ★★★★☆ |
| Autodesk Fusion | 初期費用を抑えて導入が可能 | サブスク | ★★★☆☆ |
| Onshape | PCにインストール不要 | サブスク | ★★☆☆☆ |
| FreeCAD | 無料で商用利用可能 | 無料 | ★★☆☆☆ |
サブスクリプション型のCADは、導入のハードルが低い一方で、利用を継続する限り費用が発生し、価格改定や為替変動の影響を直接受ける可能性があります。また、契約を停止すると使用できなくなる点は、設計データを資産として保有したい企業にとって注意すべきポイントです。
一方、永久ライセンス型のCADは、初期費用はかかるものの、長期的なコスト予測が立てやすく、設備投資としての判断がしやすいという特徴があります。今回ご紹介したZW3Dは、保守費用を払うことで常に最新のバージョンを使用することができます。30日間の無料体験版がありますので、ぜひ、一度、お試しください。ZW3Dは、一般的な3D CAD機能が充分に搭載されており、操作画面が分かりやすく、使いやすいため、初心者が学びやすい3D CADになっています。
30日間の無料体験版のダウンロードは、こちらから
https://www.zwsoft.co.jp/download-center/
【入門・初心者向け】ZW3Dの始め方と使い方について~3D CADの覚え方のコツ教えます~
https://www.zwsoft.co.jp/blog/zw3d-start-guide-cad-beginner/
筆者プロフィール(小原照記 おばらてるき)
いわてデジタルエンジニア育成センターのセンター長、3次元設計能力検定協会の理事長も務める。3D CADを中心とした講習会を小学生から大人まで幅広い世代の人に行い、3Dデータを活用できる人材を増やす活動や企業へ技術的なサポート支援もしている。WEBブログやSNS、YouTubeを「テルえもん」という名前で情報発信中。