3D CADが普及した現在、設計段階での「干渉チェック」は、もはや特別な作業ではなく、設計品質を支える基本プロセスの一つとなっています。部品同士が物理的にぶつかっていないか、可動部がスムーズに動作するかを事前に確認できることは、試作回数の削減や手戻り防止に直結し、QCD(Q:品質、C:コスト、D:納期)向上につながります。

本記事では、干渉チェックの基本的な考え方から種類、必要性を整理し、具体的な干渉検出方法と活用のポイントを解説します。
干渉チェックとは何か
定義と基本概念
干渉チェックとは、アセンブリ内の部品同士が重なっていないか、接触・衝突していないかを確認する作業です。3D CAD上では、形状データをもとに部品間の位置関係を解析し、目視では気付きにくい干渉も検出できます。単なる「ぶつかりチェック」だけでなく、組立時に入らない、動作中に引っ掛かる、公差を考慮すると実際には接触するといった潜在的な問題の洗い出しにもつながります。

3DCAD「ZW3D」で干渉チェックしている様子
干渉チェックの種類
干渉チェックには、目的に応じていくつかの種類があります。
- 静的干渉チェック
静止した状態で、部品同士が重なっていないかを確認する方法。
ボルトと穴位置、ケーブルやホースの通り道の確認などに有効です。
- 動的干渉チェック
可動部を動かしながら干渉を確認する方法。
リンク機構、スライド、回転部品などの検証に欠かせません。
- クリアランスチェック
干渉ではなく、「隙間が十分か」を確認する方法。
公差や組立誤差を考慮した設計で重要になります。
- 接触チェック
部品同士が接触している状態を検出する方法。
意図しない接触は振動や摩耗の原因になります。
干渉チェックが必要な理由
干渉チェックが重要視される理由は、単にミスを減らすためだけではありません。試作・現物合わせに頼らない設計が可能になり、組立トラブルや現場での手直しを未然に防げ、設計意図を客観的に検証でき、検証の質が向上します。特に、部品点数が多い製品や、設計と製造が分業されている現場では、
CAD上での干渉チェック=設計者の責任範囲を明確にする行為とも言えます。
干渉チェックの方法
CADソフトを使った干渉チェック
現在の3D CADには、アセンブリ内の干渉を自動検出する機能が標準搭載されています。モデルを正しく作成していれば、短時間で網羅的な確認が可能です。
ZW3Dを例にした操作例
ZW3Dは、部品設計・アセンブリ設計から金型設計、CAMまでを一つの環境で扱える統合型の3D CAD/CAMソフトです。製造業の設計現場を意識した機能構成が特徴で、組立性や加工性を考慮した設計検討に適しています。
複数部品を組み合わせたアセンブリ状態で、部品同士が物理的に干渉していないか、組み付け時に無理な接触や引っ掛かりが発生しないか、可動部が動作中に接触しないかといった点を、3Dモデル上で視覚的に確認することができます。
実行時には、干渉している部品の組み合わせ、体積、位置が一覧で表示されるとともに、該当箇所が画面上でハイライト表示されます。「どこが、どの程度問題なのか」を直感的に把握できるため、製品設計だけでなく、治具や装置設計における不具合の事前発見に役立ちます。

ZW3Dでの干渉チェック活用
ZW3Dの干渉チェックは、設計初期から詳細設計まで幅広く活用できます。部品配置検討段階でのラフチェック、組立性レビュー前の最終確認、設計変更後の影響確認など、特に設計変更を繰り返す製品では、「変更したら必ず干渉チェック」という習慣づけが、品質安定に繋がります。

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シミュレーションによる干渉確認
3D CADにおけるシミュレーション(モーションスタディや機構解析)を用いた干渉確認は、静止画では見落としてしまう「動かした時に発生する衝突」を未然に防ぐための強力な手法です。単なる配置確認(静的干渉)から一歩進んで、時間の経過とともに変化する部品の位置関係を追跡する動的干渉の確認をします。
動的干渉チェックでは、バネが伸縮した時の周囲との干渉チェックやケーブルやホースなどの柔軟物が剛体物の動きの中で干渉しないかの確認が行えます。静的状態では干渉していないけど、実際は重力で垂れて擦れてしまうので、ガイドの設計が必要という判断ができます。
可動機構を持つ製品では、「動かして初めて分かる干渉」が多いため、設計段階でのシミュレーション確認が重要です。
手作業による干渉チェックの補助
自動検出に加えて、以下のような手作業の確認も有効です。
- 断面表示で内部構造を確認する
- 透明表示を使って重なりを視覚的に把握する
- 重要部位のみ簡易的に距離測定を行う

CAD任せにせず、設計者自身の目で確認する視点を持つことで、見落としを減らせます。
干渉チェックの注意点とよくある問題
複雑アセンブリでは計算負荷が高くなる
部品点数が多いアセンブリでは、干渉チェックに時間がかかる場合があります。その場合は、サブアセンブリ単位での確認、重要部位に絞ってチェックするといった工夫が有効です。

ソフトウェア間の互換性による差異
他CADから取り込んだデータでは、形状誤差や面の不整合により、本来存在しない干渉が検出されることがあります。インポート後は、エラー診断を行い、修復や形状修正、場合によって簡略化を行ったうえでチェックすることが望ましいです。
ZW3Dには、ヒール(修復)機能が豊富に揃っています。

ZW3Dのヒール(修復)機能の操作画面
干渉検出の誤差とその対応方法
数値上は干渉していても、実際には問題にならないケースもあります。重要なのは、機能上の問題になるか、製造・組立で影響が出るか等を設計者が判断することです。「検出された=即NG」ではない点を理解して活用しましょう。
まとめ
干渉チェックは、単なるCAD操作ではなく、設計品質を高めるための思考プロセスです。ZW3Dのような3D CADを活用すれば、設計段階で多くのリスクを可視化し、後工程での手戻りやトラブルを大幅に減らすことができます。
重要なのは、早い段階でチェックすること、動的視点も取り入れること、設計者自身が結果を判断すること、干渉チェックを「作業」ではなく「設計の武器」として活用することが、設計品質向上への近道と言えます。
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【入門・初心者向け】ZW3Dの始め方と使い方について~3D CADの覚え方のコツ教えます~
【初心者向け】ZW3Dの始め方ガイド2026|3D CADを効率よく覚える5つのコツ
筆者プロフィール(小原照記 おばらてるき)
いわてデジタルエンジニア育成センターのセンター長、3次元設計能力検定協会の理事長も務める。3D CADを中心とした講習会を小学生から大人まで幅広い世代の人に行い、3Dデータを活用できる人材を増やす活動や企業へ技術的なサポート支援もしている。WEBブログやSNS、YouTubeを「テルえもん」という名前で情報発信中。