設計図面をやり取りする際、ファイル形式の選択は作業効率やデータ共有の安全性に直結します。特にCADデータでは、DWGやDXFなどさまざまな形式がありますが、その中でもDWFは閲覧・共有に特化した便利な形式です。
本記事では、DWFファイルの基本情報やメリット、DWG・DXFとの違いを解説し、さらにDWFファイルを開く方法や開けない場合の対処法まで詳しく紹介します。
DWFファイルとは
DWFファイルはDesign Web Formatの略で、Autodesk社が開発した設計図面専用のファイル形式です。図面データをコンパクトにまとめて共有できるように設計されており、主に閲覧や確認用途として利用されます。
一般的なDWGファイルとは異なり、DWFファイルは編集よりも「閲覧・確認」に特化しています。図面の構造やレイアウト、注釈などの情報を保持したまま、データ容量を大幅に削減できるのが大きな特徴です。
DWFファイルを使用するメリット
- 軽量で高速:DWGファイルよりも圧縮率が高く、読み込みや送信がスムーズ。
- セキュリティ性:図面の一部だけを共有したり、印刷や測定を制限する設定も可能。
- 閲覧専用に最適:設計データを、クライアントや他部門に安全に共有。
DWF・DWG・DXFの違い
CADファイルにはさまざまな形式がありますが、代表的なのがDWG・DXF・DWFの3つです。
| ファイル形式 | 主な用途 | 特徴 |
| DWF | 閲覧・共有用 | 軽量で高圧縮。図面の構造や注釈を保持しつつ、編集は不可。データ共有や確認に最適。 |
| DWG | 設計・編集用 | AutoCADの標準形式。図面の全データを保持し、編集が可能。ファイルサイズは比較的大きい。 |
| DXF | 異なるCAD間でのデータ交換 | 「Drawing Exchange Format」。テキストベースで、他社CADやCAMソフトとの互換性が高い。 |
それぞれの用途や特徴を理解しておくと、状況に応じて最適な形式を選ぶことができます。
DWFファイルの開き方
CADソフトウェアで開く
多くのCADソフトウェア(たとえばZWCADやAutoCAD)は、DWFファイルの閲覧機能を備えています。
ZWCADの場合は、メニューから「ファイルを開く」を選び、拡張子が.dwfのファイルを指定するだけで簡単に閲覧可能です。
ステップ1:ZWCADを起動する
パソコンでZWCADソフトを起動します。画面左上にあるZWCADのアイコンをクリックし、メニューから「開く」を選択してください。
ステップ2:ファイル選択画面でDWGファイルを指定
ファイルブラウズのウィンドウが表示されます。ここで開きたいDWFファイルを探して選択します。
ステップ3:「開く」をクリック
ウィンドウ右下の「開く」ボタンをクリックすると、数秒で指定したDWFファイルがZWCAD内で開きます。


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Autodesk Design Reviewを使う
Autodesk社が提供しているAutodesk Design Review(旧称:DWF Viewer)を利用するのも一般的です。
この無料ツールでは、DWFファイルの閲覧・測定・印刷などが可能で、Windows環境で安定して動作します。公式サイトからダウンロードしてインストールすればすぐに使えます。

オンラインビューアを利用する
ソフトをインストールせずにDWFを確認したい場合は、オンラインビューアが便利です。
Autodesk ViewerなどのWebサービスにアクセスし、ファイルをアップロードするだけでブラウザ上で表示できます。Macユーザーや一時的な確認用途にも最適です。

DWFファイルが開けない場合の対処法
DWFファイルが開けない、あるいは読み込みエラーが出る場合は、以下の点を確認してください。
ソフトウェアのバージョンを確認
古いバージョンのCADソフトでは、最新のDWFフォーマットに対応していないことがあります。必要に応じて最新バージョンにアップデートしてください。
ファイルの破損を確認
メール転送やダウンロード時にファイルが破損している可能性があります。再度送信してもらう、またはバックアップから開くなどの方法で確認します。
PC環境を確認
DWF ViewerやCADソフトが正常に動作するには、OSやグラフィック環境が要件を満たしている必要があります。公式サイトの動作環境を確認し、ドライバーやWindows Updateを最新にしておくことが望ましいです。
再インストール
それでも問題が解決しない場合は、ソフトウェアを一度アンインストールし、再インストールすることで設定やキャッシュがリセットされ、正常に動作することがあります。
まとめ
DWFファイルは、設計図面を軽量かつ安全に共有・確認できるフォーマットです。注釈や構造を保持しつつデータ容量を抑え、クライアントやチーム間での効率的な情報共有に役立ちます。
本記事では、DWFファイルの基本的な知識から、代表的な開き方としてCADソフトやビューアソフト、オンラインツールの活用方法まで幅広く紹介しました。また、ファイルが開けない場合の対処法や互換性に関する情報も取り上げています。
これらの情報を参考に、ご自身の目的や使用環境に合った最適な方法を選び、よりスムーズにDWFファイルを扱っていただければと思います。DWFファイルに関する基本理解と実用的な対応策の一助となれば幸いです。