Autodesk Inventor とは?
Autodesk Inventorは、主に機械設計で使用されるプロフェッショナル向けの3D CAD ソフトです。板金設計、配管・配線設計、金型設計など多様な製造業ニーズに対応しています。3D モデリング、アセンブリ、2D 図面作成、解析(CAE)機能が搭載されており、大手企業から中小規模の製造業まで幅広く利用され、製品開発プロセス全体を支援する存在となっています。
Autodesk Inventorの主な機能・特徴
スケッチ
スケッチ機能を利用した2次元の構想設計が行えます。各部品をスケッチし、ブロック化することにより“固まり”で動かせるようになります。それらに拘束を付加して、マウスドラッグで回転やスライドを行うことで機構を確認できます。さらに、寸法を付加して、力の関係を見ながら設計を進めることも可能です。検討したスケッチを利用し、そこからコンポーネント(部品化、バラシ)作成が行えます。その際、スケッチ上で付加した拘束は、アセンブリ拘束として自動変換されます。
3Dモデリング
ソリッド、サーフェス、フリーフォームまでのさまざまなモデリング手法とパワフルな設計機能を備えています。設計自動化・標準化を行うiLogic機能が特徴で、ルールベースによる作業効率化を図ることができます。
アセンブリ
アセンブリに関しては、拘束とジョイントの2種類があり、部品を組み合わせていくことが可能です。大規模なアセンブリの処理も高速に行うことができます。
図面機能
AutoCADの開発メーカーでもあるため、図面を描くのに必要な機能が揃っています。パワフルなモデルベース定義機能で、製造情報を 3D モデルに直接組み込むこともできます。
まとめ・総合評価
Inventorは、機械設計やプラスチックパーツ、金型、シートメタル(板金)、溶接、フレーム、チューブ & パイプ(配管)、ケーブル & ハーネス(配線)の設計などを行うための豊富な機能が搭載されています。また、公差解析や構造解析、機構解析などのシミュレーション機能も充実しており、設計を行うための様々なツールが統合されています。
2D CADであるAutoCADとの連携も可能なことから、2次元設計と3次元設計の“ハイブリッド設計”を実現できます。また、点群およびメッシュデータを扱うことが可能で、CAD面を作成したり、アセンブリや図面を作ったりできるのもInventorの特長です。
AutoCAD以外にも同じオートデスク製品との連携が可能で、CAEやCAMソフトとの連携、BIM連携などの機能も備えているため、全てのものづくりの工程において3Dデータの活用が迅速でスムーズに行えます。
価格体系とライセンスモデル
価格体系は、サブスクリプション形式になっており、月間プランの場合、50,600円/月。年間プランの場合、407,000円/年。3年プランの場合、1,219,900円/3年。学生や先生の場合には、教育機関向けの無償のライセンスが提供されています。
ライセンスモデルは、以前は廉価版としてInventor LTがありましたが、現在は、Inventorのみで、複数製品がセットになったProduct Design & Manufacturing Collectionの中に含まれてもいます。ライセンスは基本的にアカウントを作成しユーザー単位での管理となります。1日単位で製品を利用できる従量課金制プランAutodesk Flexがあり、100トークンを43,450円から購入でき、Inventorは1日8トークン(34,760円)で利用できます。
ZW3Dの紹介とInventorとの比較
今回、3D CADソフトとして、Autodesk Inventorを紹介しましたが、例えば、サブスク型のライセンスではなく、買い切りが良かったり、そもそもの導入費用を抑えたかったり、CAMを使った切削加工プログラムの作成を行いたい場合などには、ZW3Dという選択肢もあります。
ZW3Dは、ソリッドとサーフェスの基本的なモデリング機能の他、板金や金型設計用の機能があり、大規模アセンブリの処理効率も向上しているため、専門的でコアな設計業務を行うことができます。CAM機能もあるため切削用の加工プログラムを作成することも可能です。
Autodesk Inventorと比べて、サーフェス機能や金型設計機能が充実しています。サーフェス機能では、面を作成する豊富な機能があり、ワイヤフレームを作成する機能も豊富に揃っています。金型設計機能では、電極を作成する専用の機能が搭載されており、バッチ機能で電極図面を自動生成も可能です。
CAM機能もあるため、設計した3Dデータをシームレスに繋げて加工プログラムの作成を行えます。Autodesk Inventorも他のオートデスク製品と連携することでCAMや高度なことができますが、ZW3Dでは別のソフトを使用することなく、標準機能としてCADとCAMがはじめから使える一体型となっており、直ぐにCAD/CAMを使用したものづくりを行うことができます。
ZW3Dは、製品設計だけでなく、設計から加工まで行っている方には、特にオススメの3D CAD/CAMソフトです。
価格体系は、1番安いタイプで、ZW3D Liteが313,000円で利用可能です。高度なサーフェスモデリングやアセンブリを行いたい場合には、Standard版で604,000円~、金型設計機能やCAMやCAMなど全ての機能が搭載されたPremium版は1,683,000円~となります。

コスパ最強の高性能 All-in-One 3D CAD/CAE/CAM
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ZW3Dは、最新版へのアップデートをするには年間保守の契約が必要になりますが、一度購入すれば、永久ライセンスでの永続利用が可能なため、Autodesk Inventorよりも長期的に考えるとトータルの導入費用を抑えることができます。
項目 | Autodesk Inventor | ZW3D |
価格体系 | サブスクリプション(買い切りなし) | 買い切りライセンス+年間保守料 |
主な強み | iLogicによる設計自動化 | CAD/CAM/金型機能の統合搭載 |
金型機能 | 標準機能では限定的 | 標準で金型設計モジュールを搭載 |
CAM機能 | 標準搭載なし | 2軸~5軸加工対応 |
その他 | 他のAUTODESK製品と連携することで、豊富な機能を追加可能 | 他のソフトと連携するための様々な入出力ファイル形式に対応している |
表:Autodesk InventorとZW3Dの主な違い
3DCADソフトとして何を選択するかは、ご自身の目的や予算、運用面などを考慮して考えていただくと良いと思います。無料の体験版をインストールして実際に操作感を確認するのも良いでしょう。ぜひ、後悔しない選択をしていただければと思います。この記事が少しでも参考になれば幸いです。
【公式サイト】ZW3D 2026の無料体験版をダウンロード
https://www.zwsoft.co.jp/download-form/zw3d-2026/
【徹底解説】3D CAD選びで失敗しない6つのポイント!ZW3Dを評価してみました!
https://www.zwsoft.co.jp/blog/zw3d-3d-cad-point-evaluation/
筆者プロフィール(小原照記 おばらてるき)
いわてデジタルエンジニア育成センターのセンター長、3次元設計能力検定協会の理事長も務める。3D CADを中心とした講習会を小学生から大人まで幅広い世代の人に行い、3Dデータを活用できる人材を増やす活動や企業へ技術的なサポート支援もしている。WEBブログやSNS、YouTubeを「テルえもん」という名前で情報発信中。