3Dモデリングの基本的な流れと用語について

一般的に3D CADで3Dモデリングを行う流れは、平面に円や長方形などの2次元の輪郭(プロファイル)を作成し、その輪郭に厚みをつけたり、回転軸を指定して回転させたり、などの作業を行い立体化していきます。 この作業において、2次元の輪郭を描く作業を「スケッチ」と呼び、立体化する作業や機能のことを「フィーチャ」と呼びます。

  1. スケッチ:2次元の輪郭を描く作業
  2. プロファイル:2次元の輪郭(立体化する領域)
  3. フィーチャ:立体化する作業や機能

3Dモデリングの流れ

スケッチの基本と用語の解説

スケッチは、平面上に描く2次元の図形で、後に立体化するための“設計の種”のようなものです。スケッチを描く平面を選択して、直線や矩形、円、曲線などの形を描きます。

スケッチー基本図形

次に大切なことが、寸法拘束と幾何拘束です。

  1. 寸法拘束:長さや角度を定義します。(例:100mm、45°など)
  2. 幾何拘束:平行や垂直、接線などの定義をします。
寸法拘束 寸法拘束 長さ 線分などの長さを制御します。
距離 線分間の距離を制御します。
角度 線分間の角度を制御します。
直径・半径 円や円弧の大きさを制御します。
幾何拘束 幾何拘束 水平・垂直 線分が、水平方向、垂直方向になるように制御します。
直交 2線分の関係が、直交するように制御します。
同一線上 線分が同一直線上にのるように制御します。
接線 線分同士が接するように制御します。
点一致 端点が一致するように制御します。

きちんと拘束が定義できていないと、後の工程や設計変更時に形が崩れてしまうため、とても重要な作業となります。

その他にもスケッチにおいて、以下の基本コマンドがあります。

  1. トリム:不要な部分の線を切り取ります。
  2. オフセット:法線方向に指定した距離で線をつくります。

トリムとオフセット

フィーチャで立体をつくる

フィーチャとは、機能・特徴という意味で、3D CADでは、3Dモデルをつくるための機能・コマンド(指令)のことであり、その機能でできあがる形状のことも指します。3D CADでは、フィーチャ編集、フィーチャ抑制、フィーチャコピーなどの機能があり、「フィーチャ=作業」と置き換えて、作業編集、作業抑制、作業コピーなどと考えると理解しやすいです。

スケッチから立体化するフィーチャを「作成フィーチャ」とよび、作成フィーチャを使用して形状を削り取る「除去フィーチャ」があります。また、できあがった立体形状に丸み(フィレット)や面取りを行う「修正フィーチャ」があります。

形状を作成フィーチャ

押し出し 押し出し スケッチした断面を特定の方向に直線的に動かして形状を作成します。
回転 回転 スケッチした断面を指定した軸まわりに回転させて形状を作成します。
スイープ スイープ 断面を指定したパスに沿って動かして形状を作成します。
ロフト ロフト 2つ以上の異なる断面をつないで形状を作成します。

形状を除去(差)するフィーチャ

押し出し(差) 押し出し(差) スケッチした断面を特定の方向に直線的に動かして形状を除去します。
回転(差) 回転(差) スケッチした断面を指定した軸まわりに回転させて形状を除去します。
スイープ(差) スイープ(差) 断面を指定したパスに沿って動かして形状を除去します。
ロフト(差) ロフト(差) 2つ以上の異なる断面をつないで除去します。

形状を修正するフィーチャ

フィレット フィレット 形状の角を丸めます。
面取り 面取り 形状の角を斜めにカットします。
シェル シェル 形状の中をくり抜いて厚みを残します。
勾配 勾配

形状に斜めの勾配を付けます。

フィーチャを積み重ねていくことで、モデルが少しずつ完成していきます。3D CADでのモデリングは「フィーチャの積み木」と言われるほど、この概念が重要です。

コピー機能

一般的な3D CADには、形状をコピーする機能が搭載されています。

形状をコピーフィーチャ

矩形コピー 矩形コピー 形状を直線状に複写します。
回転コピー 回転コピー 形状を回転複写します。
ミラーコピー ミラーコピー 形状を指示した平面で反対側に複写します。

コピー機能を利用することでモデリング時間を大幅に短縮することができます。

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パラメトリックモデリングとダイレクトモデリング

3D CADでのモデリングには、2つのモデリング方式があります。

  1. パラメトリックモデリング:形状を数値(パラメータ)や拘束条件によって定義し、その作成過程を履歴として記録する手法。
  2. ダイレクトモデリング:形状そのものを直接編集する手法。

両者を切り替えながら使える「ハイブリッドモデリング」が主流になっています。これにより、設計段階では寸法や拘束条件を与えて3Dモデルに設計意図を入れ、設計変更に強いパラメトリック手法を活用できます。一方で、外部から受け取った中間ファイルの修正やコンセプト検討といった場面では、履歴にとらわれず直感的に形状を編集できるダイレクトモデリングが有効です。

  1. パラメトリック ダイレクト
    パラメトリック ダイレクト
    モデルを作成した際に定義したパラメータを変更して形状を再定義します。 修正したい箇所を直接、移動・回転などの操作で変更します。
    履歴の作成は難しいが、うまく作成すれば修正が早い。 修正はとりあえず簡単だが、修正箇所が多い場合には、修正に時間がかかります 。
  2. ソリッド・サーフェス・ワイヤフレーム

3D CADでのモデリングでは、立体を表現する方法に主に3種類あります。

  1. ソリッドモデリング:体積情報を持った形状を構築していくモデリング
  2. サーフェスモデリング:表面のみで形状を構築していくモデリング
  3. ワイヤフレームモデリング:線のみで形状を構築していくモデリング

 

コンピュータ上での立体表現の変遷としては、1970年代の初期にワイヤフレームで表現されるようになり、その後、1980年代にサーフェスでの表現が登場しました。そして、1990年代にソリッドで表現可能な3D CADが普及し始め、今では3つ全ての表現ができる3D CADが主流となっています。

3DCADモデリングの立体表現の変遷

例えば、自動車ボディや家電の外装はサーフェスで滑らかに作られ、内部構造はソリッドで構築されることが多いです。3D CADのソフトによって両方を組み合わせるハイブリッドモデリングにも対応しています。

アセンブリ

複数のパーツ(部品)を組み合わせた製品を構成する作業を「アセンブリ」と呼びます。実際の組立てを再現するように、部品同士の位置関係を定義します。

アセンブリの構成を理解するために、「ボディ」「パーツ」「アセンブリ」について知っておきましょう。

  1. ボディ:1個の連続した形状の塊。
  2. パーツ:1個以上のボディを含む部品。製品を構成する最小単位。パートやコンポーネントなどとも呼びます。
  3. アセンブリ:複数のパーツを組み合わせた製品。プロダクトとも呼びます。

ZW3Dー3D CADアセンブリをしている様子

アセンブリを正しく構築すれば、製品全体の動作や組立性を事前に検証できます。

まとめ

3Dモデリングは、ただ立体をつくる作業では、ありません。設計の意図を形で表現する「思考の道具」です。平面→スケッチ→フィーチャの一連の流れを理解することで、設計の自由度と楽しさを感じることができます。ぜひ、3Dモデリングの第一歩を踏み出しましょう!

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筆者プロフィール(小原照記 おばらてるき)

いわてデジタルエンジニア育成センターのセンター長、3次元設計能力検定協会の理事長も務める。3D CADを中心とした講習会を小学生から大人まで幅広い世代の人に行い、3Dデータを活用できる人材を増やす活動や企業へ技術的なサポート支援もしている。WEBブログやSNS、YouTubeを「テルえもん」という名前で情報発信中。

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