機械設計に携わるエンジニアや設計者にとって、「規格」に沿った部品の選定は非常に重要です。その中でも日本国内で広く採用されているのがJIS規格(日本工業規格)です。
本記事では、JIS規格の基本情報から種類、機械設計への影響、さらにZWCAD MFGを活用したJIS規格部品の選定方法までをわかりやすく解説します。
JIS規格とは何か
JIS規格(Japanese Industrial Standards)は、日本の産業全体で技術基準を統一するために制定された国家規格です。材料や部品、製品の寸法や性能、さらには試験方法に至るまでが体系的に定められており、製品の品質や互換性を確保するための重要な基準となっています。
このJIS規格は1921年に制定され、その後、戦後の産業復興期に本格的に整備されました。規格の制定目的は、製品の品質や安全性を高めること、製造コストを抑えつつ効率化を図ること、そして輸出製品の信頼性を確保することにありました。こうした背景から、規格に基づいた設計は、品質・コスト・信頼性の三つを同時に実現する重要な手段として位置づけられています。
JIS規格を活用することで、設計の現場では次のようなメリットが得られます:
- 設計効率の向上:標準化された寸法や部品を使用することで、試作や設計変更の手間を削減
- 互換性の確保:異なるメーカーの部品でも組み合わせ可能
- 国際標準との整合性:ISO規格との対応も進んでおり、輸出製品にも利用しやすい
これらの利点を活かすことで、設計のスピードや精度を高めつつ、品質や信頼性を確保した製品づくりが可能になります。
機械設計でよく使われるJIS規格の種類
JIS規格は、材料や部品、製品の形状・性能・試験方法など、産業全体の技術基準を網羅しており、その種類は非常に多岐にわたります。分野ごとに細かく分類されており、用途や業界に応じて適切な規格を選ぶことが求められます。
特に機械設計の現場では、多くの規格が日常的に参照されます。以下に、代表的なカテゴリごとに整理したJIS規格の一覧を示します:
機械製図・記号関連
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JIS規格番号 |
名称 |
用途・説明 |
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製図総則 |
機械製図に関する基本ルール |
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製図-ねじ及びねじ部品 |
ねじの図示方法 |
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歯車製図 |
歯車の図示・記号 |
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ばね製図 |
ばねの図示方法 |
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幾何公差の表示方法 |
位置度・平面度などの図示 |
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寸法及び公差の記入方法 |
寸法記入と公差表示 |
ねじ・締結部品関連
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JIS規格番号 |
名称 |
用途・説明 |
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一般用メートルねじ |
基準山形・系列・寸法など |
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管用テーパねじ |
管用ねじの規定 |
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管用平行ねじ |
管用平行ねじの規定 |
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メートル台形ねじ |
台形ねじの寸法規定 |
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十字穴付き小ねじ |
小ねじの代表例 |
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六角ボルト |
六角ボルトの寸法・性能 |
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六角ナット |
六角ナットの寸法・性能 |
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JIS B 1099 以降 |
ボルト・ナット各種 |
各種形状・性能等級 |
軸・キー・軸継手関連
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JIS規格番号 |
名称 |
用途・説明 |
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キー及びキー溝 |
平行キー等の寸法 |
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ローラチェーン軸継手 |
軸継手の寸法 |
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フランジ形軸継手等 |
ユニバーサルジョイント等の寸法 |
転がり軸受関連
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JIS規格番号 |
名称 |
用途・説明 |
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転がり軸受-総則 |
軸受の基本規定 |
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転がり軸受-主要寸法 |
軸受の寸法規定 |
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転がり軸受の呼び番号 |
呼び番号の規定 |
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転がり軸受-精度 |
軸受許容値、公差値の規定 |
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転がり軸受の測定方法 |
軸受測定方法 |
公差・はめあい・形体(GPS)関連
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JIS規格番号 |
名称 |
用途・説明 |
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寸法公差・はめあい |
ISO公差方式対応 |
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幾何特性仕様(GPS) |
形体・形状・位置の定義・適用 |
歯車・ばね・その他機械要素
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JIS規格番号 |
名称 |
用途・説明 |
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平歯車の精度等級 |
歯車の精度規定 |
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圧縮ばね、引張ばね |
ばねの寸法・荷重特性 |
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皿ばね |
ばねの寸法・荷重特性 |
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平行ピン |
ピンの寸法規定 |
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止め輪 |
止め輪の寸法規定 |
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スプリングピン |
スプリングピンの寸法規定 |
機械安全・設計一般(参考)
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JIS規格番号 |
名称 |
用途・説明 |
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機械類の安全性-設計の一般原則 |
ISO 12100対応 |
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非常停止装置の設計原則 |
ISO 13850対応 |
JIS規格を理解して設計に活かすことで、設計の標準化による開発期間の短縮や、部品調達の容易化、在庫管理効率の向上といったメリットが得られます。また、安全性や耐久性の確保により品質保証が可能となり、さらに国際規格との互換性を確保することで、輸出製品への対応もしやすくなります。
より多くのJIS規格を調べたい場合は、日本産業標準調査会の公式ウェブサイトをご覧ください。
ZWCAD MFGを活用したJIS規格部品の選定方法
ZWCAD MFGは、DWG互換CADソフトであるZWCADに機械設計用の機能を加えたCADソフトウェアで、製造業の分野に特化された機械設計専用パッケージです。ZWCADの全ての機能はもとより、幅広い機械部品ライブラリ、インテリジェントな描画ツール、カスタム部品のインポートツールなど、機械設計プロセスをスピードアップするパワフルなツールが豊富に搭載されています。
特に、ZWCAD MFGに搭載されている部品ライブラリには、JIS規格に準拠した形材や特徴、軸受などの標準部品が豊富に収録されており、設計の際にそのまま利用できます。部品は種類や用途で簡単に検索でき、寸法や公差に加え、図例や基本パラメータも明示されているため、規格適合性や設計上の条件を確認しながら、安心して設計作業を進めることが可能です。これにより、手作業の手間を省くことができ、作図にかかる時間も大幅に短縮できます。

価格面でも非常にコストパフォーマンスが高く、一度購入すれば永久に利用できる点も大きな魅力です。機械設計に携わるユーザーにとって、長期的に安心して導入できるCADソフトといえるでしょう。
さらに、ZWCAD MFGでは30日間の無料体験版が提供されており、試用期間中はすべての機能を制限なく利用できます。充実した部品ライブラリを実際に試してみたい方は、ぜひ無料で体験してみてください。
JIS規格に関するよくある質問
JIS規格をどこで確認できますか
JIS規格は、日本産業標準調査会の公式ウェブサイトで確認できます。分野や規格番号ごとに検索でき、最新の規格情報を入手することが可能です。
JIS規格とISO規格の違いは何ですか
機械設計の観点では、JIS規格は日本国内の設計・製造現場での実務に即した標準であり、ねじ、軸、軸受、公差、製図方法などが具体的かつ詳細に定められています。そのため、日本市場向けの機械や装置を設計する場合、JIS規格に基づいた設計が基本となります。
一方、ISO規格は国際的な互換性を重視した規格で、海外メーカーとの部品共用やグローバル展開を前提とした設計に適しています。現在では、多くのJIS規格がISO規格と整合しており、JISに基づいて設計した図面でも、ISO対応製品として問題なく使用できるケースが増えています。
JIS規格に基づく部品情報は、設計段階ではどこから入手できますか
設計段階では、JIS規格に基づく部品情報を、標準部品集や、ZWCAD MFGのような機械設計向けCADソフトに搭載された部品ライブラリから入手するのが一般的です。ねじや軸受、ばねなどの標準部品は、JIS規格に基づいた寸法や公差があらかじめ定義されているため、設計にそのまま反映できます。
まとめ
JIS規格は、機械設計における部品寸法や公差、製図方法などを統一する重要な基準です。これを理解して設計に活かすことで、品質や互換性を確保しつつ、効率的な設計作業が可能になります。特に、ZWCAD MFGのようにJIS規格に準拠した部品ライブラリを活用すれば、規格確認や作図の手間を大幅に削減し、よりスムーズに設計を進めることができます。