3Dを2Dに変換とは?なぜ今も2D図面が必要なのか?

ものづくり製造業では、3D CADで作成した3Dモデルから2D図面を作成する3Dを2Dに変換する作業が行われます。変換する主な理由は、製造や組み立ての指示を正確かつ効率的に伝えるためです。

3Dモデルは全体の形状を理解するのに優れていますが、寸法、公差、仕上げ指示などの詳細な情報を伝えるには不十分な場合があります。多くの製造業では、長年にわたり2D図面が標準として使用されてきました。過去のデータや既存のワークフローとの互換性を保つため、現在でも2D図面は広く使われています。

2D図面は、特別なソフトウェアや技術がなくても紙媒体やPDFで簡単に閲覧、共有できます。製造現場の作業員は、3Dモデルを操作するよりも、2D図面を見る方が直感的で迅速に作業を進められる場合が多いこともあり、2D図面が作られます。また、取引先との契約や製造依頼の正式な書類としても使用されます。

2D設計と3D設計の違い

2D設計と3D設計の大きな違いは、表現する空間の次元です。2D設計は平面的な図面で製品を表現するのに対し、3D設計は立体的なモデルで製品を表現します。

2D設計は、平面上に投影図や断面図を描いて形状を表すため、図面から立体形状を想像する必要があります。熟練者であれば理解できますが、経験の浅い人には形状を正確に把握するのが難しい場合があります。

一方、3D設計は、立体モデルとして形状を直接表現でき、誰でも直感的に形状を理解しやすいのが特徴です。干渉チェックや質量計算、解析や3Dプリントによる試作など、設計以外の工程にも活用することができ、QCDに大きな効果を上げることができます。

2Dと3Dはどちらかが優れているというわけではなく、それぞれ得意な分野が異なります。2D設計は、設計初期段階の構想図を考えるのに適しており、3D設計は詳細設計から製造まで立体的検証を含めた高度な設計に使うことで効果を発揮します。用途や設計段階に応じて最適な方法を選択します。

詳しくは、下記の記事をお読みください。

2D CADと3D CADの違いとは?特徴とメリットをわかりやすく解説

 

設計に欠かせないステップ:3D設計から2D図面を出力する

3D CADを使用して設計した3Dモデルから2D図面を作成するには、まず完成した3Dモデルをベースに図面テンプレートを選択し新規作成するところからスタートします。テンプレートには、用紙サイズ、尺度、投影法、タイトル欄などの設定が含まれており、会社や業界の製図規格に合わせて準備します。

次に、3Dモデルを図面シートに配置し、必要なビューを選択します。通常は正面図、平面図、側面図、そして必要に応じて断面図や詳細図を追加します。その後、各ビューに寸法や公差、仕上げ記号、注記を加え、製造や検査に必要な情報を明確に伝えられるようにします。部品図の場合は部品番号や材質、組立図の場合は部品表(BOM)を配置します。

すべての情報の記入作業が終わったら、図面のチェックを行い、誤記や不足がないか確認します。最後に、完成した図面をPDFやDWGなどのファイル形式、あるいは紙に出力し、製造部門や取引先に渡せる状態にします。この一連の工程を通じて、3Dモデルの形状情報が、製造現場や品質管理で使える正式な2D図面へと変換されます。

ZW3Dで3Dモデルから2D図面を作成する

3D CADととして、ZW3Dを使用することで、3Dモデルから2D図面を作成することができます。

手順1

新規オブジェクトを作成からテンプレートを選択する。

新規オブジェクト作成でテンプレートを選択している画面

手順2

「ビューレイアウト」機能を使用して、3Dモデルを投影した正面図や平面図、右側面図などを配置する。必要に応じて、断面図や詳細図を作成することもできます。

ビューレイアウトで3Dモデルの正面図・平面図・側面図を配置している画面

手順3

寸法のコマンドを使用して図面に距離や角度などを入力します。ZW3Dでは、「モデルの寸法を表示」機能を使用することで、3Dモデルを作成する際に使用した値を表示させることができます。寸法コマンドで距離や角度を入力し、3Dモデルの寸法を表示している画面

手順4

記入した寸法をダブルクリックすることで、サイズ公差や記号を入力できます。また、幾何公差や溶接記号を記入することもできます。

寸法をダブルクリックして記号を入力する画面

ZW3Dでは、2D図面が完成した後に、3Dモデルに設計変更があった場合でも、同期されているため、3Dモデルの変更が2D図面に自動で反映されます。これにより図面の修正作業の効率化を図ることができ、図面ミスも減らすことができます。

ZW3Dで3Dモデルの設計変更が2D図面に自動反映されている様子

ここまでの手順を動画にしましたので、ご覧ください。

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まとめ

3D CADで3D設計をすることで、設計形状を直感的に理解でき、解析や試作、後工程にも活用できる利点があります。3Dモデルから2D図面を作成するのは、製造現場や取引先との共通言語として情報を共有し、公差や加工条件を明確にし、検査や品質保証の基準書、コスト見積もりや製造方法の判断材料、さらには契約や法的証拠として活用するためです。

 3D設計から2D図面を作成する際は、テンプレート設定、ビュー配置、寸法・注記追加、BOM生成、最終チェック、そしてPDFやDWGなどへの出力という流れで行われます。

 ZW3Dを使用することで、上記を分かりやすい操作性で行うことができ、3Dモデルと2D図面が同期しているため、設計変更が起きた場合にも2D図面の修正を簡単に行うことができます。また、ZW3Dは、3D CADとCAM機能が一体化しているため、設計から加工データ作成までを1つのソフトで完結できます。これにより、異なるソフト間でのデータ変換や作業の重複を減らし、効率的な製造プロセスの実現も可能です。ぜひ一度、ZW3Dをお試しください。

 

30日間の無料体験版のダウンロードは、こちらから:https://www.zwsoft.co.jp/download-center/

筆者プロフィール(小原照記 おばらてるき)

いわてデジタルエンジニア育成センターのセンター長、3次元設計能力検定協会の理事長も務める。3D CADを中心とした講習会を小学生から大人まで幅広い世代の人に行い、3Dデータを活用できる人材を増やす活動や企業へ技術的なサポート支援もしている。WEBブログやSNS、YouTubeを「テルえもん」という名前で情報発信中。

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